芦澤泰偉 Taii Ashizawa
1970年、「第10回現代日本美術展」に入選。この展覧会で松澤宥と出会い、コンセプション・アートの運動体「ニルバーナ」に参加。以後4年間、現代美術家としてグループ展、個展を開催する。
1976年、工作舎に入社して装幀やエディトリアルデザインの魅力を松岡正剛と戸田ツトムから学ぶ。そして荒川洋治と出会い、彼の主宰する「紫陽社」の詩集の装幀を始める、2024年で170冊に達する。それから思潮社の小田久郎の紹介で菊地信義と交友が始まる。1989年、株式会社 芦澤泰偉事務所を設立。雑誌は「現代詩手帖」(思潮社)、「美術手帖」(美術出版社)、「ヘルメス」(岩波書店)のアートデレクションを手がける。また装幀を通じて出会った高橋克彦や西部邁と長い交友を持った。西部を敬愛し考え方も影響を受けている。西部が主催していた「表現者」のデザインは12年続いた。その後は2018年より「表現者クライテリオン」へと受け継がれている。「NHK俳句」のデザインは2013年より始まる。また装幀した本は文庫、新書を含めると現在までに10,000冊に及ぶ。
主な受賞歴
2003年:第37回造本装幀コンクール展「武満徹全集」(全5巻 小学館)の装幀で経済産業大臣賞受賞。
2013年:第47回造本装幀コンクール展 「寄り添う 「銀座クラブ麻衣子」四十年の証」(講談社ビジネスパートナー)で日本書籍出版協会理事長賞を受賞。
2014年:第47回造本装幀コンクール展 「寄生蟲図鑑 ふしぎな世界の住人たち」(飛鳥新社)で日本書籍出版協会理事長賞を受賞。
2018年:第49回講談社文化賞ブックデザイン賞[1] ブルーバックス(1991年にデザインを担当、前年のマイナー・チェンジが賞の対象になる)、『根源へ/根源から イメージの浮沈を賭けて』(田中孝道著、エイアンドエフ)、『横田順彌 明治小説コレクション 1 - 3巻』(柏書房)で受賞。
2023年:第56回造本装幀コンクール展「マークの本」(紀伊国屋書店)の装幀で読書推進運動協議会賞。